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ボストン留学記


ケネディスクール留学を終えた筆者が新しい挑戦を始めます。
by shinya_fujimura
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第200号 なぜアメリカは自由と民主主義を世界に広めようとするのか

アメリカと言えば、自由と民主主義
そしてその価値観を世界に広めようとしている国
そういうイメージがあるのではないでしょうか

しかしこのイメージ。実はアメリカ建国以来の伝統というわけでもなさそうです。

ご存知の方も多いかと思いますが、19世紀のアメリカはモンロー主義に則り孤立主義(isolationism/exceptionalism)を貫いていました。ヨーロッパのバランス・オブ・パワーに基づいた国際体制と一線を画すためでもあったようです。

したがって、この頃のアメリカは自由と民主主義を世界に広めようとはしていない
と言えそうです。

ではそれはいつ頃から変質したと言えるでしょうか。
ジョセフ・ナイ教授の授業でそんなトピックを扱いました。
以下はそのディスカッションを踏まえての、私なりの見方です。

最初のきっかけは、セオドア・ルーズベルト大統領
彼は米西戦争に勝利しフィリピンを獲得したり、日露戦争に関わってポーツマス条約を仲介したりする等、それまでのアメリカにはなかったような行動に出ています。

それはなぜでしょう。

19世紀後半と言えば、ヨーロッパの列強が30年足らずの間にアフリカのほとんどの土地を植民地化した時期にあたります。インドの完全植民地化もこの頃です。そのような背景が理由の一つ。

もう一つの理由としては、セオドア・ルーズベルト大統領がバランス・オブ・パワーをひとつの外交の拠り所としていたということが挙げられそうです。日本が大勝利してもロシアが大勝利しても、いずれにせよ困る。そういう発想もあったとも言われているようです。

このように、アメリカはセオドア・ルーズベルト大統領の登場をきっかけとして孤立主義を転換し始めます。

しかし、これではまだ自由と民主主義を世界に広めようとしているわけではありません。
では、自由と民主主義はいつから始まったのでしょうか。

(つづく)

by shinya_fujimura | 2010-10-28 13:06 | ケネディスクールでの学び
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