ボストン留学記


ケネディスクール留学を終えた筆者が新しい挑戦を始めます。
by shinya_fujimura
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<   2011年 03月 ( 16 )   > この月の画像一覧


第337号 震災を受けて⑤ ~Harvard for Japan~

震災を受けて様々な活動を行って行くうちに、ケネディスクールの Crisis Management Student Group (危機管理勉強会)と連絡が通じました。今回の震災を受けて彼らもパネル・ディスカッションを企画していたらしく、日本人学生会に協賛をお願いしたいとのことでした。

その企画が決まってからしばらく後に、こんどはこの勉強会を通じてハーバード・デザインスクールの学生からコンタクトがありました。デザインと言ってもファッションや芸術のお話ではありません。建築や都市計画を研究している大学院です。彼女は全学規模でチャリティ・オークションを行いたいとのことでした。結局様々な制約(校則?)からオークション自体は行えなかったのですが、このコンタクトを通じてさらに話は広がりました。

Harvard for Japan Week

というものが企画されているというのです。こちらはハーバードの学部生及びGSASと呼ばれる人文科学・自然科学系の大学院生が中心となって企画したものであり、1週間を通じて募金活動やキャンドルサービス、チャリティコンサートなどを行い今回の災害に対する認知を喚起しようというものです。学長の公認も得て大々的に行われました。

この企画を中心となって推進したのは学部の4年生。彼女は福島の出身なのだそうです。彼女が大学を動かしました。

大学一帯が、日本をサポートしようという雰囲気に包まれたのでした。

(続きます)
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by shinya_fujimura | 2011-03-31 13:05 | ケネディスクールでの生活

第336号 震災を受けて④ ~世界は今後、原子力をどう扱うのか~

先週、3月24日(木)には、原子力や危機管理の専門家を招いてパネル・ディスカッションが行われました。

パネリストは、ケネディスクールの核不拡散の専門家及び危機管理の専門家、そしてボストン総領事の方を招いて行われました。その内容はこちらからご覧いただけます。

http://www.iop.harvard.edu/Multimedia-Center/All-Videos/JAPAN-The-Earthquake-The-Worldwide-Aftershocks

ケネディスクールのサイトでも紹介されています。

http://www.hks.harvard.edu/news-events/news/articles/japan-earthquake-forum

全体的な印象ですが、MITにせよ、ハーバードにせよ、アメリカ人の専門家たちはそれほど事態を悲観していないように感じます。その原因は、ひとつは日本でも再三報道されているように、日本人がこの大災害のもとでも秩序を保っていることにあります。もうひとつは福島第一原発ですが、こちらはアメリカ人の特別な事情もあるようです。

その陰には、アメリカは原発推進に転換した矢先の事故だったということがあります

ご案内の通り、1979年のスリーマイル事故以来、アメリカは原発の新規建設を控えてきました。アメリカでも、事故から31年、新規建設をしていないのです。ところがこの話を聞くと「待てよ?」と思います。そう、31年、アメリカにある100基以上の原発は、すべて31年以上前に作られたものということになります。古いのです。そろそろ新しく設備投資をする必要があるのです。

ブッシュ政権時代にアメリカが原発推進に舵を切った背景にはそのようなこともあったと指摘する人もいます。オバマ政権も基本的にこの政策を受け継いでいます。

そして何よりも、全世界的に見れば原発推進の流れは止められない

そういう意見をよく耳にします。なぜか?

それは新興国における電力需要は高まる一方だからです

火力等化石燃料で賄うには限界があるということが指摘されています。また化石燃料を使うことは温暖化の観点からも好ましくはありません。そして何よりも、新興国が電力を生み出す権利を、誰にも妨げることはできません。

もちろん、日本国内で新規建設をすることはしばらくの間ないでしょう。その間、原発以外のクリーンなエネルギーへの投資を真剣に検討すべきと思います。そしてクリーン・エネルギーで世界の先頭を走る、そんな復興策ができれば、また日本に希望がもたらされるのではないでしょうか。
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by shinya_fujimura | 2011-03-30 11:06 | ケネディスクールでの生活

第335号 震災を受けて③ ~ケネディスクールでの募金活動~

MITでの募金活動はハーバードの春休み期間中に行われました。どちらも1週間の春休みがあるのですが、ハーバードの方が1週間早く春休みを迎えます。いてもたってもいられなくなった私は休みを活用して Crisis mapping や募金活動に励むことにしました。

Action for Japan Boston の活動のうち、募金に関連するものとして短期義援金と長期義援金がありました。前者はその名の通り短期、すなわち震災後1~2週間で集めて日本に送るものです。こちらは2年間の留学のような短期滞在目的できている人たちが主となって活動しました。私が所属しているケネディスクールの活動もこれにあたります。

一方、後者の長期義援金はボストン滞在の長い人たちが中心となっているようでした。ざっと見て、最低でも3年、最長者の方は31年のボストン滞在になるとおっしゃっていました。もちろんこちらで職を得ている方が多いですから、ボストンで培ってきたネットワークを生かして活動できるところが特徴的です。

さて、短期義援金の話に戻ります。

前述の通りケネディスクールは春休み中でしたから、まずはMITの募金活動からの学びを日本人在校生に共有し、シフトを組んだり、必要なもの(ポスター等)を準備したりすることから始めました。1週間、朝10時~夕方4時半までの活動です。そして最終日の金曜日には「寿司ナイト」と題してチャリティ寿司パーティーを行います。

3月21日月曜日の朝から、募金活動は開始。主としてTシャツの販売を行いました。結局1週間で150着ほどの購入がありました。加えて寿司チャリティパーティーには約80名が参加。多少の重なりはありますが、計230名もの方々が協力してくださったことになります。ケネディスクールの全校生徒の数は教職員も含めるとおそらく900~1,000名程度ですから、実に4人に1人が協力してくれたことになります。本当にありがたいことです。

世界が日本を見てくれている。
“Our prayers and thoughts are with you.”
震災以来何度も耳にしたその言葉は、嘘偽りのない言葉でした。

その様子はケネディスクールのサイトでも取り上げて頂きました。

http://www.hks.harvard.edu/news-events/news/articles/japan-support-students-mar11

集められた義援金は、ボストン総領事を通じて日本赤十字に送る予定です。

(続きます)
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by shinya_fujimura | 2011-03-29 12:00 | ケネディスクールでの生活

第334号 震災を受けて② ~MITでの募金活動~

義援金活動は、原則として各自の所属する団体・組織を中心に行われました。Action for Japan Boston 自体は、各団体・組織によるノウハウの共有等の機能を担うことになりました。

私はケネディスクール所属ですから、早速ケネディスクールの日本人会の方々と募金活動の準備を始めることになりました。しかしハーバードは春休みに入っていたため1週間後でないと活動自体は開始できませんでした。そこでまずはMIT日本人会の方々の募金活動に参加させて頂き、色々と学ばせて頂きました。

MIT日本人会は Action for Japan Boston 結成の中心になった方々でもあります。さすがの団結力と行動力。震災からわずか3日後であったにもかかわらず、見事に準備を終えて募金活動に励んでらっしゃいました。場所もかの有名なMITのドームの下。MITでも人通りが最も多い場所の一つです。

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道行く人たちが立ち止まっては5ドル、10ドルと寄付をしてくださいます。日本ではあまり目にしない光景です。この国の寄付意識の高さを感じさせられます。よくアメリカは寄付税制が発達しているから寄付も多いという話が出ます。たぶんそれはウソではありません。そういった要素は確かにあるでしょう。しかし今回のように5ドルや10ドルの寄付でわざわざ税控除を申し込む人は極めて少数派のようでした。実際、領収書の発行を求めて来る人はごく稀でした。

また、MITの方々は募金のみならず、ホワイトボードとペンを用意して時間に余裕のある人に日本人へのメッセージを書いてもらい、それをデジカメで撮影してすぐさまMIT日本人会のページにアップしてスライドショー形式で公開するという取り組みも行われていました。感動モノです。こちらでご覧になれます。

http://web.mit.edu/jam/www/

ともかくMITの方々の実行力には圧倒されました。
日本の若者の力は捨てたものではありません。
私たちも後に続かなければ。そういう想いを背に、ケネディスクールへと引き返したのでした。

(続きます)
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by shinya_fujimura | 2011-03-28 09:27 | ケネディスクールでの生活

第333号 震災を受けて① in Boston

このたびの東北関東大震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。一日も早い安全と復旧復興を祈念いたします。

震災が起こって以来、私もボストンで出来る限りのことをしようと思い、この2週間活動してきました。福島第一原発では予断を許さない状況が続いておりますが、ここで一度ご報告をさせて頂きたいと思います。

まず、震災翌日の3月12日、ボストン近郊在住の日本人有志がMITに集まり、「私たちにで何ができるか」を議論しました。そこで、有志による震災復興支援ネットワーク、Action for Japan Boston が誕生しました。その活動内容は主として以下の4つです。

1. 義援金(短期/長期)
2. 日本へのメッセージ
3. 現地へのボランティア派遣
4. Crisis mapping

私自身は主として1及び4に参加してきました。
まず震災直後に必要とされたのが、4のCrisis mapping でした。Crisis mapping とは、sinsai.com というサイトを運営されている方々と連携し、グーグル・マップ上に様々な現地の声をアップし、現地の方々が支援を受けられるようサポートするというものです。具体的にはツイッターに上がってきたつぶやきを sinsai.comに上げていきます。「特に震災直後は現地からの情報も乏しく、マスメディアではカバーしきれないものがたくさんありました。そこでインターネットを使って現地の声を届ける必要が生じていたのです。

震災直後には、「~の集落が孤立しています。このままでは餓死しています。早く食料を届けてあげて!」「~の安否が確認できていません。どなたかご存じありませんか?」という叫び、「~で炊き出しが行われます」「~でガソリンが手に入ります」「~でお風呂に入れます」という生活に必要な情報などがアップされていきました。中には「マスコミは~に注目してくれないけれど、物資が欠乏しています。物資を送ってください」といったものもありました。それはあたかもテレビには映らない現実を目撃したかのようでした。

私も Crisis mapping ボランティアの一員として、1日4時間程度作業にあたりました。どれだけの悲痛な叫び、助けを求める声を目にしたかわかりません。自分が一助になれたかどうかもわかりません。ただCrisis mapping班の班長の「sinsai.comの閲覧数が飛躍的に伸びています」という言葉だけを励みに作業していました。

そんな活動を続ける中、同時に義援金活動の計画も始まりました。

(続きます)
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by shinya_fujimura | 2011-03-27 17:07 | ケネディスクールでの生活

第332号 ボストンの冬景色⑪ ~ノースエンドの海~

(283号、286号、291号、293号、294号、295号、312号、318号、319号、331号の続きです)

クインシー・マーケットの中を抜けていきます。

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海に到達しました。
優雅なもんです。

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と思いきや、以外に鋭い眼光。

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集まってきました。

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透明度が高く足まで見えます。

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一生懸命足かきです。

こんな海でした。

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次回は市街地へと歩きます。
(つづく)
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by shinya_fujimura | 2011-03-11 15:29 | ケネディスクールでの生活

第331号 ボストンの冬景色⑩ ~ノースエンド~

(283号、286号、291号、293号、294号、295号、312号、318号、319号の続きです)

2月20日、友人とオイスター。ノースエンドと呼ばれるところに向かいます。
地下鉄に乗ってMITを過ぎ、チャールズリバーを渡ります。その車内から川の様子が見えました。なんと、下流ではもう氷が溶け始めています。しかもまるで北極海のように四角い氷が浮かんでいました。

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ここから先はノースエンド(ボストンの北東端)の風景をご紹介します。

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こちらがかの有名な、、、

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わかりますでしょうか?

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そう、ケネディ元大統領が通ったと言われるオイスターハウスです。

その近くの風景

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傍にクインシー・マーケットと呼ばれる市場があります。

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次回はここを突き抜けて海の方に向かいます。

(つづく)
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by shinya_fujimura | 2011-03-10 15:33 | ケネディスクールでの生活

第330号 失業率改善たって、仕事見つけるの大変だよな ~ボストンの街角で共感す~

ハーバードスクエアの周りにはいくつかのカフェがあります。すぐそばにあるのが au boin pain (オ・ボン・パン)という黄色がトレードマークのチェーン経営のカフェ。私もよく通っています。一度コーヒーを派手にこぼしてしまい、それ以来店員さんに顔を覚えられてしまいました。

ある日のこと、いつものとおりカフェラテを買ってレジに向かいます。そしたらレジの店員さんが話しかけてきました。

「どんな仕事をしてるんだい?」
「いや、僕は学生なんだよ」
「え、学生なのか。いつ卒業するんだい?」
「この夏かな」
「じゃあ、仕事を探してるところか」
「そんなところだね」
「仕事探しは大変だろう?今の状況じゃ見つかりっこないよな」
「ほんとに」

先日アメリカの失業率が改善したとの報告がありましたが、街角ではまだまだそんな雰囲気はないようです。こんな会話を街角で偶然出会った者同士でするなんて、不思議な気分です。それもまた、アメリカの懐の深さでしょうか。

仕事なんてなくても気にしないぜ。それも人生さ!

そう言われたように感じて、どこかしら気持ちが楽になる自分がいたのでした。
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by shinya_fujimura | 2011-03-09 10:23 | ケネディスクールでの生活

第329号 ルワンダに学ぼう

先日ハーバード・ビジネススクールのポーター教授の授業にルワンダ大統領がゲストとして訪れました。当日扱ったケースは当然ルワンダ。大統領もどのような議論が行われるのか興味津津だったようです。その日はID確認を含めたセキュリティ・チェックが行われ、いつもより物々しい雰囲気で授業が始まりました。

ルワンダと言えば、記憶にある方も多いでしょう。
そう、フツ族とツチ族の争いと大虐殺。1994年のことでした。
あれから17年、ルワンダは少しずつ経済成長を遂げているようです。

ルワンダは決して大国ではありません。アフリカの中でも比較的小さく、資源にも乏しく、また内陸の国でもあり必ずしも経済発展に適した状況とは言い難いでしょう。しかしそんな中でも自分たちの強みを見出して邁進しているようです。コーヒーやお茶はその一つ。その他典型例は観光産業。世界的にも珍しいマウンテンゴリラの生息地であるという地の利を生かして様々な振興策を打っているようです。

このような国は驚くべき決断をすることがあります。それは例えば英語の公用語化。もともとルワンダはドイツそしてベルギーの植民地でしたから、英語とは縁がありませんでした。しかし英語を公用語とすることで経済発展につなげようとしているようです。

ポーター教授による授業が一通り収束した後、ルワンダの大統領カガメ氏がスピーチを行いました。すべて英語です。国のトップが自ら先頭を切って国家施策を実践しているかのようです

質疑応答もすべて英語です。質問に事前チェックは入りません。私も僭越ながら質問をさせて頂きました。力強い答えが返ってきました。国を背負っている、そういった自負とプライドがみなぎっていました

国家のリーダーが健全な危機意識を持ち続け、自ら先頭に立って国民を導く

そんなお手本を見たような気がしたのでした。
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by shinya_fujimura | 2011-03-08 12:50 | ケネディスクールでの学び

第328号 外国人の方は献金できません ~責任ってなんだろう~

と書かれていたのを偶然発見したのは10月だった。アメリカはちょうど中間選挙目前。オバマ大統領もボストンに応援演説に訪れた。私はミーハー根性丸出しで、オバマ大統領を一目見ようと民主党大会のチケットを手に入れるために、ウェブ上で事前登録を行った。

ひととおり記入が終わると、最後に「寄付のお願い」と書かれたサイトに誘導された。あまりにも自然に誘導されたため、きっとこれは党大会に参加するために必要なのだろうと勘違いしたくらいだ。

しかし若干の疑問が生じた。本当に寄付必要なのかな?たかだか5ドルや10ドルの話ではあるけど、クレジットカードの情報も入力しないといけないし何となく気が引ける。そう思ってサイトの下の方までよく読んでみることにした。

読み進めてみると、ハッキリとこう書いてあった。

外国人の方は献金できません

何のことはない。自分はアメリカでは外国人。寄付してはいけないのだ。それを見た瞬間、寄付などしなくても党大会に参加できるという当たり前の事実に気付いた。

しかし

サイトにチェック機能がなければ、もしかしたら自分も少額とはいえ寄付してしまっていたかもしれない。日本で寄付するとき、チェック機能はあるんだろうか。

前原前外相は脇が甘い

そういう批判は確かに当てはまる。ただ、寄付者は中学生のころからの顔なじみ。きっと近所の仲良しおばさん。

もちろん法律違反であることも確かだし、今後襟を正してもらうほかはない。ただ制度がおかしいなら制度を変えるべきだし、法的責任と政治的責任は必ずしも一致しないということもある。職を辞めることが「責任」だとする伝統的な考え方は、どうも頷けないところも多い。

責任ってなんだろう
考えてしまった。
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by shinya_fujimura | 2011-03-07 14:34 | ケネディスクールでの学び