ボストン留学記


ケネディスクール留学を終えた筆者が新しい挑戦を始めます。
by shinya_fujimura
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
最新の記事
カテゴリ
以前の記事
その他のジャンル
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧

カテゴリ:ケネディスクールでの生活( 108 )


第400号 旅の終わりに 〜そして「これから」〜

ニューヨークから東京へのフライト機中。着陸が迫ってきます。
1年間の長旅も、終わりを迎えようとしていました。

月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人なり。

時の流れは待ってはくれません。ただただ目の前を過ぎ去っていくのみです。
そしてまた、新しい時が流れてきます。

1年間、様々な出会いがありました。
すばらしい友人たちと出会いました。
そしてこれからもきっと、すばらしい人たちとの出会いが待っています。

胸中に宿るのは希望。そして心地よい緊張感。
後ろ向きな達成感や充実感よりも、前を向いた高揚感。

しかしそれは、1年前にボストンに向かったときとは一味違った感覚でした。

もちろん、ボストンに向かったときも希望がなかったわけではありません。
緊張感がなかったわけでもありません。
なのに、なぜ?

不思議な感覚でした。

ケネディスクールの教育について思うところを書き留めた私は、自然に身を任せ、徒然なるままに、さらに筆を走らせました。
そうすればきっと今の気持ちが表現されるだろう、そう思ったからです。

筆は進みました。

ハーバードで教わったこと

① 大学は社会に貢献する人材を育成する場であること
② 大学で学んだ知識や知恵は、行動に生かされ、社会正義と繁栄の実現に生かされるものであること
③ 世界はひとつであること

そのときハッと気づきました。

自分には、やるべきことがあるのではないか?

自分には、伝えるべきことがあるのではないか?

私は、私が学んだことを、伝えたかったのです。
ほかでもない、母国・日本に。

伝えたいと思います。
それが私の

これから
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-14 11:01 | ケネディスクールでの生活

第399号 ケネディスクールの教育三本柱

ニューヨークから東京への長いフライトの中、ケネディスクールへと思いを馳せます。

私にとって、ケネディスクールの教育は三つの柱から成り立っていました。

① Analysis(分析力)〜数字やロジックから逃げてはいけない 判断を誤らないために〜

ケネディスクールでは経済学、統計学など定量分析の科目が多く設けられています。ほぼすべてのプログラムで、最低1科目は履修しなくてはなりません。定量分析なしでは卒業できないのです。

ご多分に漏れず、数学は日本人の方がアメリカ人よりも得意な傾向にあります。日本人は比較的簡単に定量分析の科目を履修し終えるのに対し、アメリカ人の友人たちはかなり苦しんでいるようです。では、なぜそこまでして分析を必修とするのでしょう。

あくまで私見ですが、数字やロジックから逃げていては、正しい判断ができないからではないかと思います。ケネディスクールの卒業生は政策立案者たることが求められます。外部からの批判者であってはなりません。例えば、1mSVと20mSVの違いもしっかりと理解しなくてはなりません。原発のコストも電力会社の発表を鵜呑みにするのではなく、その背後にある様々な想定を理解しなくてはなりません。再生可能エネルギーが本当にどの程度可能性があるのか、単に専門家の発表を信じているだけでは、政策立案者は務まりません。

もちろんこれがすべてではないでしょうが、ケネディスクールの卒業生にとって、定量分析力は必須の能力というのが、この科目が必修となっている大きな理由の一つでしょう。

② Leadership and Management 〜変化をもたらせ〜

リーダーシップもケネディスクールが力をいれているものの一つです。マネジメントはNPOの財務会計やオペレーションなど、マネージャーに必要な業務スキルを身につけるためのものです。

リーダーシップというと、日本人の中には煙たがる人も多いようです。アメリカでもそういう人はいるみたいです。ただ、私が実際に授業を受けてみて感じたのは、「リーダーシップ」に対応する概念は日本語の中には存在しないということです。もちろんそれが訳語がない理由の一つでしょう。

アメリカ人の間でもリーダーシップに関する考え方は様々ですが、一つの概念をご紹介します。それはリーダーとは変化を導く存在であるということです。世論に迎合するのはリーダーではありません。困難な現実から逃げることなく、むしろ対峙することによって、変化に導く、そういう存在がひとつのリーダー像であるようです。

私はこの「リーダーシップ」という言葉は、日本語で言えばむしろ「主体性」や「率先して実行すること」に近いのではないかという気がしました。そういう風に訳せば、日本においても大切な概念であることは疑う余地がないだろうと思います。

③ Ethics and Philosophy 〜自らの世界観を確立せよ〜

3つめは倫理です。既にマイケル・サンデル教授の授業をご覧になった方も多いかと思いますが、同様の内容を扱った授業はケネディスクールでも数多く展開されており、必修科目となっています。西洋倫理の二大潮流である功利主義、そしてカントの倫理は必要最小限のバックボーンです。もちろん理論だけにとどまらず、まさに現代的課題をケーススタディとして扱います。

例えば Just War (戦争の正義)という授業では、Just War Theory(正当戦争理論)の専門家で牧師さんでもいらっしゃる先生と、イラク戦争の現場から帰還した元米軍兵が真剣に議論します。理論も机上の空論では意味がありません。現場でどのように生かされるのか、ケネディスクールでは常にそういう視点で理論を教えているように感じました

以上が、私の考えるケネディスクールの教育三本柱です。日本でこういう教育がなされないものか、次第にそう考えるようになっていきました。
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-13 09:48 | ケネディスクールでの生活

第398号 私見・ハーバードのブランド経営

ニューヨークからの帰りの飛行機のなかで考えました。
私はハーバードで一体何を学んだのでしょう。

ケネディスクールの卒業式。ある人がこんなことを言っていました。
ハーバードの秘密は、私たちだけにとっておきましょうね

Secrets of Harvard

どこかで聞いたことのあった言葉です。
しかし、「何が秘密なのか?」までは皆目見当付きません。

たぶん、「秘密」の内容は画一的ではありません。
各人それぞれの立場でいろんなことを学んだでしょう。
今日はそのことについて書いてみたいと思います。
(以下、すべて私見です)

私がふと気づいたのは、学業以外でいろんなことを学んだという点です。
その第一は、ハーバードという大学の経営についてです。
ある人はハーバードはアメリカ最大の非営利組織とも言います。
その経営術には目を見張るものがありました。

① ハーバード・コミュニティの醸成

まず第一に、ハーバード・コミュニティというものに対する意識。それは先に挙げた「ハーバードの秘密」という言葉にも表されているように思います。MITやスタンフォードがインターネットの流れに乗って授業の公開を進めているのに対し、ハーバードはマイケル・サンデル教授の授業を除いて、基本的に授業は公開していないようです。そのことによってコミュニティ、すなわち「仲間意識」を高めようとしているようにすら思えます。

また、先にも紹介しましたとおり、同窓生の交流も盛んなようです。卒業式は5月末だったのですが、同窓会の案内はすでに4月上旬に送られてきていました。「なんて気が早いんだ」と思ったものです。同窓生同士の交流を深める場も多く設定されているようです。

そして極めつけが、サマープログラムのときに聞かされた言葉。
“Harvard will bet on you.” 「ハーバードはあなたに賭ける」
私にとっては、何よりこの言葉が仲間意識を高めてくれました。

このようなコミュニティの醸成は学生の満足度を高め、また同窓生同士の助け合いへとつながることでしょう。私が通った日本の某大学ではなかったことです。(最近は多少変化が見られますが)

② ブランド・マネジメントと商業主義

ハーバードの経営という観点から次に目立ったのがブランド・マネジメント。ハーバードは自らのブランドを意識的に活用しているように思えます。その最たるものが世界中から人材を集めること。また人材だけにとどまりません。資金も集まってきます。ハーバードは学費が高いとはいえ、それだけのお金をかけた教育を行なっており、あくまで非営利組織として寄付を集めることは不可欠と言えます。

一方で、過剰に寄付を集めることに集中しすぎている節も見られます。「寄付を集めるためにはこういうプログラムを行うべきだ」という理由付けの多さに辟易したという学生もいました。何が正しいかはわかりません。しかし寄付が重要視されているとは言えそうです。

また、流行に対しても敏感な面があります。ヘルスケアや中国、社会起業など流行りの分野には飛びつきます。もちろんそれは学生からもニーズがあるからでしょうが、流行の分野ですぐに教員を集めてこられるのも、ハーバードならではかもしれません。

③ ハーバードのミッション

卒業式のとき、何度も耳にした言葉があります。それは
Ready to serve society --- 社会に貢献する準備が整った
という言葉であり、これは学位授与の際に授けられた言葉です。
すなわち学位とは社会貢献の資格 そう言いうるかもしれません。

このような経験から、私はハーバードの教育のミッションは社会に役立つ人間を育てることにあるのではないかと思うに至りました。

なんだそれ、当たり前じゃないか

そう思われるかもしれません。しかしいまの日本の現状はどうでしょうか。

このことは、学部4年生の答辞にも見て取れました。
From Knowledge to Wisdom to Service to a Just and Flourishing World
知識を知恵に変え、それを行動に移し、社会正義と繁栄の実現に貢献する

ハーバードで学ぶことのひとつは、そういうことなのです。

ハーバードの3つの秘密

そんなことを考えながら、ニューヨークから東京への長旅を過ごしていました。

(続く)
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-12 21:34 | ケネディスクールでの生活

第397号 ホリデイ in NYC

ボストンからの帰り、ニューヨークに2泊しました。
今日は5月末、ニューヨークの様子をお届けします。

a0156827_11394885.jpg

a0156827_11423398.jpg


これ、観てみました。
a0156827_1144462.jpg

a0156827_11451247.jpg


NYC!
a0156827_11462919.jpg

a0156827_11474515.jpg


a0156827_11491522.jpg

a0156827_11502383.jpg

a0156827_11511385.jpg


昼間から乾杯!
a0156827_11522493.jpg

[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-10 11:52 | ケネディスクールでの生活

第396号 亜魂世才

3月上旬

「リーダーになること」という講義を担当しているDavid Gergen 教授から、中間試験として以下のような課題が出された。

自分のこれまでの成長について内省しなさい

この課題はきわめてパーソナル(個人的)なものであった。講義の前半で学んださまざまなコンセプトを自らに当てはめ、自らの成長を振り返ってみるというものだった。

ケネディスクールでは「リーダーシップ」を冠した様々な講義が展開されている。しかし「リーダーシップ」という言葉の持つイメージとは異なり、自らの成長を見つめなおし、内省を促すタイプの授業も多い。この課題もそのような授業の一環であった。

何を書こうか、迷った。

そんなに簡単に書けるわけはない。
真剣に取り組めば取り組むほど、筆が進まない。
茫然としたまま一週間が過ぎ去ろうとしていた。

そこに、震災が襲った。
ネット上に映し出される映像に釘付けになった。
風景は一瞬にして変わった。

提出期限を一週間後に控えていた。
その日から、方向性はガラリと変わった。

私がケネディスクールに学びにきた理由のひとつは、グローバルに動ける人間になりたいということだった。ケネディスクールで開講されている様々な授業が、そんな願望を後押ししてくれる、そう考えていた。

しかしその見通しは、誤解を恐れずに言えば、誤っていた。

日々洗い出されていくのは、いかに自分が日本人かということ。
多国籍の、それこそまさにグローバルな友人たちに囲まれ、本来ならばグローバルな自分へと羽ばたいていくつもりが、むしろ文化的違いばかりが強調されていくのだ。

震災後、自分が日本人であるということについて、ますます確信を強めた。

これはずいぶんと数奇な言い方かもしれない。
自分が日本人だなんて、当たり前だ。疑う余地もない。
しかし、そんな表面的な認識ではなく、骨の髄から日本人であることを認識させられるのだ。

この内省を通じて、私は悟った。

「グローバル」であるということは、「才」なのだ。
そして「日本人」であるということは、「魂」なのだ。

明治時代、先達たちは和魂洋才という言葉を好んで用いていたようだ。
私が悟ったことも、それに近い。

しかし、大きな違いがある。

それは、まず第一に、これからの時代、必要とされる「才」は必ずしも「洋」ではない。それは「世」界的でなければならない

第二に、私たち日本人の魂はアジアの伝統のうちにある。そして、21世紀はアジアの時代になる。私たち日本人はアジアの一員として、私たちの世界像を構想すべきときだ。必要なのは「亜」ジアの「魂」だ

亜魂世才
あこんようさい


私たちが目指すべきは、そこにあるかもしれない。
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-09 10:22 | ケネディスクールでの生活

第395号 Commencement 〜それは始まりであって、終わりではない〜

5月26日午後4時半ころ。すべての儀式を終え、名実ともに修士号を得て私のケネディスクール留学記は終わりを告げたのでした。

1年間の留学記

その短さもあってか、何かを成し遂げた高揚感というよりも、穏やかな寂寥感の方が勝っていました。ともかく、私のアメリカ滞在にも終わりが来たわけです。留学ビザは卒業式の日で切れてしまいます。もう2度とこの国に住むことはないかもしれません。そう考えると、やはり寂しさの方が勝ってしまうのでした。

それは中学校や高校の卒業式で感じた、あの感覚にも似ているものでした。
Commencement 卒業式というのは何歳になってもそういうものかもしれません。

ふと、卒業式当時の朝にもらった式次第を読み返していました。
すると、次のような一文を発見しました。

“The word ‘Commencement’ conveys the meaning of the Latin Inceptio, a term used in the Middle Ages to describe the ceremony that admitted candidates for the degree of Master of Arts and gave them license to begin teaching.”

「Commencementという言葉は、ラテン語のInceptioから来ています。それは中世ヨーロッパにおいては、Master of Artsという学位の候補生に対して、アカデミアに入ることを承認し、また教師として働き始める許可を与える儀式を指すものとして使われた言葉でした。」

すなわちInceptioの語源から、またCommence(始める)という言葉の意味からもわかるように、卒業式とは「始まり」なのです

そしてそれがteaching(教えること)を始める許可を与える儀式だったことからもわかるように、社会への貢献の第一歩を踏み出す儀式でもあると言えるでしょう。まさにいま、この瞬間から始まるのであり、学業はそのための準備なのです

Commencement

それは始まりであって、終わりではない

この留学記ももうすぐ閉じます。
しかしそれは始まりであって、終わりではありません。

未来に向けての大事な一歩

その足跡を記したいと思います。
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-08 10:54 | ケネディスクールでの生活

第394号 ハーバード同窓会 〜アフリカ初の選挙で選ばれた女性大統領登場!〜

学長による同窓生への選挙活動(?)が終了した後は、同窓生を代表してリベリアの大統領、エレン・ジョンソン・サーリーフ氏が登壇しました。

彼女はアフリカで初めて、選挙で選ばれた女性国家元首。そしてケネディスクールの卒業生でもあります。1969年から1971年のケネディスクール在学時はメーソン・フェローとして奨学金をもらいながら研究をされていたようです。メーソン・フェローは現在も残っている制度で、私が所属していたミッドキャリア・MPAプログラムに所属して共に勉学に励みます。このプログラムには今年も途上国の大臣経験者がいました。

このような形でハーバードは途上国との関係を保つための努力しているのかもしれません。もちろんそれは一方的な関係ではなくて、双方にとって有意義な関係でしょう。そしてアメリカのためになることでもあります。

20分ほどのスピーチの後、すべての行事は幕を閉じました。

a0156827_107721.jpg


これで本当に、ケネディスクール卒業。
気温も30℃近くまで上がったでしょうか。
ガウンに身をまとってとても暑かったので、フローズンマルガリータで乾杯!

a0156827_108070.jpg

[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-07 10:08 | ケネディスクールでの生活

第393号 同窓生への選挙活動!?~学長による同窓生向けメッセージ~

ケネディスクールでの卒業式を終えハーバードヤードに戻ってくると、同窓生による会合が始まっていました。卒業式の後ゆっくりランチをとっていたため、何人かの同窓生がすでにスピーチを終えているようです。

a0156827_91833100.jpg


まもなくハーバード大学の学長が壇上に上がりました。

a0156827_919926.jpg


スピーチの内容は、、、

日本ではあまり聞かない類のスピーチかもしれません。学長が同窓生に対して、自らの業績を誇示しているように聞こえます。いや、誇示というのは正確な表現ではないかもしれません。しかし、アピールしていたのは事実です。

例えば以下のような業績を羅列していました。

international students の割合が20%に
6万ドル以下の世帯収入の家庭は10%以下の学費等の奨学金の充実
語学教育の強化―中国語を学んだ学生のことばを紹介
中国でマイケルサンデルの授業を開講、全面的にバックアップ
中国は、ハーバードを模範とし高等教育への投資を増やしている。ハーバードを含めたアメリカの大学も今こそ高等教育に投資を続けるべき

このように、卒業式の後行われる同窓生のつどいは、学長が同窓生に対してハーバードの教育内容をセールスする場でもあるようです。すなわち、同窓生からの支持、ひいては寄付金の獲得につなげたいという意図があるのでしょう。

それにしても、ハーバードのグローバル化の例として中国だけが引用されているのは、やはり少しさみしい気がしたのでした。

a0156827_920136.jpg

a0156827_9204626.jpg

a0156827_9212017.jpg

a0156827_9215527.jpg


(続く)
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-06 09:22 | ケネディスクールでの生活

第392号 Commencement 〜君たちこそが、未来なのだ〜

ハーバードヤードでの卒業式が終わるとすぐにケネディスクールの方に引き上げます。今度は各自バラバラ。行進はしません。

a0156827_11271276.jpg


ケネディスクールでは各プログラムごとに、名字のアルファベット順に整列します。ハーバードヤードの卒業式とは異なり、ケネディスクールの卒業式ではひとりひとりに修了証書が授与されます。私はFで始まる名字なので前の方でした。

そして順次卒業式会場に入場。まずは学長のスピーチから始まります。
“You are the future of the world.” 「君たちが世界の未来なのだ」
未来を若い力にかける、そういう意思が伝わってきます。
またこのスピーチが儀式にありがちな長いお話とは異なり、簡潔かつ明瞭なものでした。見習いたいものです。

そしてひとりひとり壇上に上がり、学位が授与されていきます。
ここでは学生のスピーチはありません。

最後にケネディスクールのアカデミック・ディーンが閉会を宣言し、卒業式は終了したのでした。今年のケネディスクールの卒業生は総勢555名でした。

その後はランチを楽しみ、各々の時間を過ごすことになります。
私は同窓生向けの式典に参加するために、再びハーバードヤードに戻ったのでした。

(続く)
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-05 11:27 | ケネディスクールでの生活

第391号 Commencement 〜日本の卒業式とは一風変わったスピーチ@ハーバードヤード〜

卒業生の入場が少しずつ進んでいきます。

a0156827_13435774.jpg


私たちケネディスクールの学生の入場が終了したのは8時50分。集合から2時間が経過しました。しかし卒業式が始まるのは9時45分。まだ1時間もあります。当然、みんなじっとしていられる訳はありません。各々立ち上がったり、少し足を伸ばして友人と語り合ったり、気ままにその時間を楽しんでいました。

a0156827_13431539.jpg


9時45分。いよいよ卒業式が始まります。
最初にシェリフと呼ばれる人が壇上に上がり、式の開会を宣言します。
“... now declares that the meeting will be in order...”
こんな表現は初めて耳にしました。そのしゃべり口がまた特徴的で、式のムードは最高潮に高まります。そして、”Please rise.”(「起立」)の掛け声の下、一同立ち上がり歌の斉唱を行います。

その後、まずは学生によるスピーチが行われました。1人目は学部4年生によるラテン語のスピーチ。次は同じく学部4年生による英語のスピーチ。そして大学院生による英語のスピーチへと展開していきます。

ラテン語は何を言っているかさっぱりわかりませんでしたが、次の学部4年生の女性による英語スピーチは何を言っているかわかりました。日本の卒業式とは一風変わったカジュアルな雰囲気で壇上に上がり、手を振って “I love you.” などと愛嬌を振りまいている姿が印象的でした。友人によれば、アメリカの大学には彼女のようなスター的存在が往々にして見られるのだとか。彼女は大学時代に学んだ3つの柱として、アカデミック、同級生、実社会との関わりについて語りました。見かけは一見ギャル風でしたが、スピーチの内容は優等生そのものでした。

そして大学院生代表は我らがケネディスクールの同級生、Adam Price。彼はウェールズ出身のイギリス人。ケネディスクールに来る直前までイギリス議会の国会議員を務めていました。それだけあって、さすが貫禄のスピーチ。

まずは、”I came here to apologize...” (「今日は(植民地のみなさんを苦しめたことを)謝りに来ました」)と言って意表を突いてみたり、”Thanks for leaving us Canada.”(「カナダだけは(植民地として)残してくれてありがとう」)と言ってジョークを飛ばして笑いを取ります。会場の人々は一気にそのスピーチに引き込まれていきます。この種の悪ふざけ的な(?)冗談は、日本では難しそうですね(笑)。

続いて学位の授与。学部から各種大学院まで、ひとつひとつ、学位が授与されていきます。日本と違って、ここでは誰も壇上に上がりません。ただ単に学位の授与が宣言されていくだけです。ケネディスクールの場合、

“By virtue of authority delegated to me, I confer on you the degree for which your studies have qualified you and testify that you are well prepared to have a leadership in the quest for enlightened public policy and effective public service throughout the world. Congratulations.”
「あなたにパブリックサービスの学位を授与し、世界中あらゆる場所において、より拓かれた公共政策と、より優れた公共奉仕の実現のため、指導力を発揮する能力を有することを、ここに証言します。おめでとう。」

この瞬間、ケネディスクールの卒業生たちは、手にしていた地球儀の風船を次々に真っ青に透き通った空に投げ込んだのでした。
[PR]

by shinya_fujimura | 2011-06-04 13:44 | ケネディスクールでの生活